半月板損傷患者さんのお話を伺っていく中で、
「とにかく早く治したい」
「早く仕事やスポーツに復帰したい」
というような早期改善を求める人がかなり多い。
今回は、私が普段臨床現場において半月板損傷治療で患者さんに提案している最短の治療期間で膝の痛みを楽にする方法を紹介していく。
半月板損傷を早く治す方法の第一段階は「考え方を切り替える」
この治療を始めるにあたって、まずは「半月板損傷を治す」という考え方をやめてほしい。新しく頭にインプットしてほしい考え方は、
「半月板損傷を治すのではなく、膝の痛みを治す」である。
あなたは、膝の痛みを治すには半月板損傷を治さないといけないという考えを持っているのではないだろうか?その考え方が実は膝の痛みを長引かせる根源になっているのだ。
半月板損傷ではなく「膝の痛み」にフォーカスする
軟骨組織は痛みを感じる神経が存在しないので、膝の軟骨である半月板も同様に神経が存在しない。よって、半月板が損傷してもそれによる痛みは出ないのだ。膝の痛みの原因となっているのは膝を動かしてる筋肉の硬直であることが近年の研究でわかっている。
半月板の損傷が重度になると膝の曲げ伸ばしができなくなる「ロッキング現象」というものがあるが、これもロッキングした半月板からの痛みではなく周りの筋肉が引っ張られることでの痛みなのだ。なので膝の痛みを楽にするためには、半月板損傷ではなく、「筋肉の硬直によって起こってる膝の痛みを治す」という意識で治療を進めてほしい。
最短の治療期間で膝の痛みを楽にするセルフリハビリ
今までは、半月板に負担をかけないようにできるだけ動かさないように「安静メイン」で治療を進めてきたと思うが、それだと筋肉の硬直は強くなるばかりなので、筋肉をしっかり動かして硬直を緩和するという「運動メイン」の治療に切り替えていかなくてはいけない。
膝の痛みを最短で楽にする方法は、ゆっくりでもいいからしっかり動かして筋肉の硬直をほぐしていくという考え方での治療だ。
これから紹介するリハビリ方法をあなたの症状に合わせて実践してみましょう。
【全症状共通】筋肉の硬直を予防するウォーキング
患部に痛みやだるさなどの違和感があると、その部位をかばって歩く時に、
①腕の振りが弱く
②歩幅が狭く
③目線を下げて
歩いてしまう。
これだと、いくら治療を続けても良くならないので、
①腕を振って
②歩幅を広げて(脚の動きを意識するよりおへそを前に出すイメージで歩くとやりやすい)
③目線を上げる
最初は少し難しいかもしれないけど、この3つを頭に置いて歩いてみてほしい。
この歩き方ができるようになると、少ない力で体が動かせるようになるので症状の悪化を予防できる。
膝の前側に痛みがある場合
①ベッドや椅子に膝を乗せる
②背すじを伸ばして乗せている方の足の指を持つ(膝を曲げた状態になる)
③その姿勢で10秒ストレッチする
膝が曲げられない人は↓↓
①ベッドや椅子に膝を乗せる
②背すじを伸ばして膝を曲げずに上半身を前方に重心移動する(乗せてない方の足に体重を乗せる)
③その姿勢で10秒ストレッチする
これを1セットとして、一日3~5セット行いましょう。朝・昼・夜、毎食後など、薬を飲むように時間帯を決めておくと忘れにくくなる。
膝の内側に痛みがある場合
①ベッドや椅子に足を乗せる(脚を横に広げて膝を伸ばす)
②上半身を乗せている足の方向へ側屈する
③その姿勢で10秒ストレッチする
これを1セットとして、一日3~5セット行いましょう。朝・昼・夜、毎食後など、薬を飲むように時間帯を決めておくと忘れにくくなる。
膝の外側に痛みがある場合
別アングル↓↓
①仰向きに寝て脚を組む
②脚を組んでいる時に下になっている方の脚の太ももを両手で抱える
③抱えた脚を自分の胸に近づける(お尻やもも裏が伸びている感じがしたらそこで止める)
④その姿勢で10秒ストレッチする
これを1セットとして、一日3~5セット行いましょう。朝・昼・夜、毎食後など、薬を飲むように時間帯を決めておくと忘れにくくなる。
膝の後ろ側に痛みがある場合
①ベッドや椅子に足を乗せる(乗せた足の方に体を向けて膝を伸ばしてつま先を上に向ける)
②上半身を前屈する(もも裏が伸びた感じがしたらそこで止める)
③その姿勢で10秒ストレッチする
これを1セットとして、一日3~5セット行いましょう。朝・昼・夜、毎食後など、薬を飲むように時間帯を決めておくと忘れにくくなる。
セルフリハビリに加えてマッサージ施術も併用するとなお良し!
これらのセルフリハビリだけでも改善していくけど、より短い治療期間で治していこうと思ったらやはり専門家による施術も併用していくことがおすすめ。セルフリハビリとマッサージ施術の併用で早期改善を目指して治療を進めていきましょう。
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