今回は、以下のようなお悩みをお持ちのあなたのお力になれるような内容となっております。
病院で膝が変形していると言われて「運動しなさい」と指導されたが具体的にどんな運動を
すればいいのかわからない
膝を鍛えようとスクワットをしているが膝の痛みは変わらない
スクワットを始めてから膝の痛みが悪化した
近所の奥さんはスクワットで膝の痛みが治ったのになぜ私はスクワットをしても治らないの?
変形性膝関節症による膝の痛みに有効な運動方法はたくさんありますが、特によく行われるのは「スクワット」です。しかし、このスクワットで膝の痛みが改善する人もいれば改善しない人もいますし、かえって膝の痛みが悪化するという人もいます。なぜこのような差が生まれてしまうのでしょう?
この記事の目次
変形性膝関節症にスクワットが有効な理由
スクワットという運動は、脚部の屈伸をすることで太ももの筋肉が強化できると考えられています。太ももの筋肉が強くなれば、膝関節にかかる負荷を太ももの筋肉に分散できるようになり膝にかかる負荷が少なくなります。特に変形性膝関節症になっている方は、膝関節に強い負荷が常時かかっていることで変形が進んでいくので、その負荷を分散できるようになると変形の進行が防止できます。
膝の痛みを悪化させるスクワットと予防するスクワットがある
実は、スクワットには膝の痛みを悪化させるものと予防するものとがあります。膝の痛みが変わらない、もしくは悪化するというあなたは間違ったスクワット方法をしている可能性が高いです。
膝の痛みを悪化させるスクワットとは?
足を肩幅に広げて立った状態から、膝を曲げて腰を落としていく。この時に膝がつま先から出ないようにして背筋は伸ばしたまま顔を上げてどんどん姿勢を低くしていく。
これが一般的に多くされているスクワット方法です。しかし、この方法は太ももの筋肉は強化されずかえって膝関節を不安定にさせるので、痛みが出やすかったり変形が進みやすくなります。
膝の痛みを予防するスクワットの仕方
上記の一般的なスクワットとは逆の動きをします。立った状態から始めるのではなく、膝を曲げて腰を落とした状態から膝を伸ばしていくというやり方です。一見何が違うのかわからないと思いますが、膝関節に対する負荷や安定感が全く違うのです。
一般的な膝を痛めるスクワットは、膝を伸ばした状態から曲げていきます。実はこの動きは脚部の筋肉を緩める動きなのです。関節周辺の筋肉が緩んでしまうと関節は不安定になります。その不安定感を止めようと緩んだ筋肉が無理に緊張してしまい急激に筋疲労が溜まてしまいます。逆に膝を伸ばしていく動きは筋肉に適度な張りを作るので関節の安定感は保たれます。
正しいスクワットの仕方を身につけて膝の不安定感を予防すること
スクワットをする一番の目的は、「膝の痛みを予防すること」「膝の変形を進行させないようにすること」ですよね。この本当の目的を忘れてただスクワットをして運動をすることが目的になっていませんか?闇雲に運動をし続けても体に無理なストレスがかかって疲れるだけですので、しっかりと目的を持ち、その運動がどういう効果があるのかをしっかり見極めて行って下さいね。
おまけ:スクワット以外にも膝の痛みを予防する運動
膝の痛みや変形性膝関節症の予防ができる運動は、スクワットだけでなく他にもたくさんあります。私がおススメする膝の痛み予防運動をご紹介いたします。
膝の痛み予防運動1:足踏み運動
やり方はいたってシンプルで、その場で足踏みをするだけです。単純に見えるこの足踏みですが、実は人間が正しい歩行運動をする為には欠かせない動きなのです。膝を痛めている人は常に膝関節が不安定な状態です。その状態で歩いたりすると体が左右に揺れたり、何もない所でつまづいたりします。足踏みをすると体は安定しますからその状態で歩くと不安定感がなくなり膝にかかる負荷が軽減できます。
膝の痛み予防運動2:かかと上げ運動
これもスクワットや足踏みと効果は同じで、膝や脚部の関節を安定させることを目的としています。かかと上げ運動をすることでふくらはぎと足裏の筋肉が活性化します。この部分が活性化すると体は非常に安定感が出ます。まず膝を痛めることはないでしょう。特に回数や時間を決めてしなくても大丈夫です。家事などで立ち姿勢が続いている時や自宅でリラックスしている時にしていただければ効果は出ます。
膝の痛み予防運動3:四股を踏む
お相撲さんが取組前にやっている足を挙げて地面に強く足を叩きつける動きです。あの動きもふくらはぎと足裏を活性化させることを目的としており、特に相撲などで強い衝撃を受ける時は力強く足を活性化させておくと関節を痛めることを予防できます。普段の生活で相撲のような強い衝撃は受けないと思いますが、できるのであれば是非やってみて下さい。
ご自分に合った方法で膝の痛みを予防しましょう!
今回は膝の痛みを予防する運動としてスクワットをご紹介いたしました。しかし、上記に挙げたようなスクワット以外でも膝の痛みや変形性膝関節症を予防できる運動はたくさんありますので、1つの方法だけにとらわれず、ご自分が続けやすい、しんどくならない方法を選んでケアを行って下さい。そして、自分一人で頑張ってもなかなか膝の痛みが改善しないならば、無理に一人で続けようとせずに最寄りの専門の医療機関や治療院にご相談して下さい。誰かと一緒に頑張る方が心細さがないので続けやすいですし、治療に対しても前向きになります。いろんな方法をうまく使い分けて、膝の痛みを改善していきましょう!